日記 > 日本編 > 香奈子 熊野古道を行く > 9月8日(火) 熊野古道・伊勢路(2)

〜三瀬坂峠〜瀧原宮〜ツヅラト峠〜魚まち






        伊勢神宮・内宮(皇大神宮)の別宮
        瀧原宮(たきはらみや)
午前5時30分起床

夕べは、夕食を食べてすぐ布団に入ったので…よく寝ました
さすがに、途中何度か起きましたけど…

ストレッチなどして…本日も準備オッケー
午前7時朝ごはん
     
夕食の時には、1人しか見かけなかった他の宿泊客も
朝食は、他のグループ(4人)もご一緒でした
皆さん、お仕事でいらしてるみたい

女がいるんで勝手が違うのか…妙に静か。。。
申し訳ないので、早々に引き上げる

午前7時20分出発…今日も良すぎるくらい…いいお天気
朝から…峠越えだ!!!

     
舟木橋…レンガのモダンな古い橋
欄干が低いので…下をを見るのが…怖い
下には、宮川が流れています


上に、高速・紀伊自動車道を見ながら…てくてく

駅前には、店を閉めた居酒屋さんが何件かありました
高速を作っていた時は、宿の女将さんが言っていたように
沢山の人の出入りがあったのでしょう
今は、また静かな山間の町

世の中…ダム問題で、またゴタゴタしているけど…どうなのでしょうね
元気がなくなってしまった町を見る度
複雑な思いが湧いてきます

てく…てくてくてく…てく



     
     三瀬の渡し場跡
     宮川を船で渡る人も多かったとか
     今では、面影もなく…草茫々
渡し場のすぐに上にある…多岐原神社
無事を感謝し、お参りしたのでしょう
川を渡るのも…命がけ…ですものね…昔は

さて、いよいよ三瀬谷峠へ
     
山に入ると、伐採した木のいい匂いが
急な斜面での作業は大変でしょうね
私は、歩くだけだから…いいけど

ふぅふぅ。。。

峠には、宝暦地蔵さまが祭られていました

心なしかブレているのは…疲れのせい?
登りが終わっても、のんびり出来る場所じゃないの
(何故か。。。女鬼峠もそうだったけど)

なので…さっさと降ります!!!

下り終わると、三瀬池が迎えてくれました
ふぅ…女鬼峠より大変だった。。。

しかし…また誰にもすれ違わなかったなぁ

里を歩く…
峠も大変だけど…この陽射しの中を歩くのも…ねぇ。。。

てく…てくてくてく…てく

目の前に瀧原宮の森が見えてくる

森の入り口には、足神さまという石が

旅人が、痛みが取れるようお祈りした石なんですって
私も…思わず…すりすり

うっそうとした木々たち
瀧原宮は、伊勢湾台風の被害も少なく
伊勢神宮より、杉の巨木が目立つんですって

     
内宮と同じように…御手洗場が


瀧原宮(たきはらのみや)

瀧原宮、瀧原竝宮は、ともに皇大神宮(内宮)の別宮で、
昔から「大神の遙宮(とおのみや)」といわれています

第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)
皇女倭姫命(やまとひめのみこと)が、
御杖代(みつえしろ=御使い)として
天照坐皇大御神を奉戴して、
宮川下流の磯宮(いそのみや)をお発ちになり、
上流の方にご鎮座の地を求めてお進みになると、
砂をも流す急流の瀬があり困っておられたので、
真奈胡神(まなごのかみ)がお出迎えをしてお渡し申し上げた

そこで命はそのところに真奈胡神を
まつる御瀬社(みせのやしろ)をお定めになったのが、
今の皇大神宮摂社、*多岐原(たきはら)神社
瀧原宮の下流約6km、
大宮町三瀬川の宮川に臨む断崖の上に鎮座されています
近年までここに熊野街道の「三瀬の渡し」がありました

倭姫命はさらに真奈胡神の案内でお進みになると、
「大河の瀧原の国」という美わしい土地があったので、
この地に草木を刈り払って新宮を建てられたのが、
瀧原宮の起源…だそうです


ふぅむ…最初にお参りした*多岐原神社とも、関係があったのね
読み方が同じだったから…アレっとは思ったけど

新御敷地(しんみしきち)

伊勢神宮と同じように
平成25年の式年遷宮の際、社殿がこちらに建てられるそうです

なんていうか…とてもいい場所でした
気持いい空気が流れているような
身体が清められるような
感動でした

はぁぁぁぁぁ〜

が、鳥居を出て、はた…と困った

玉城町役場で貰った地図は、2冊
「平成の熊野詣」の方は、第一巻目だけだったので
ここから先の地図がない
もう一つの地図「熊野古道・伊勢路 名所図絵」は、大雑把過ぎて道がわからない
東京から持ってきたガイドブックの地図も、同じようなものだし

リックを下ろし、「平成の熊野詣」に記載してあった
熊野古道伊勢路踏破リレーウォーク実行委員会(三重県政策部東紀州対策局内)
に、電話してみた

熊野古道伊勢路を歩いてきて、今、瀧原宮にいること
玉城町役場で…この地図を貰ったこと、を話し
そして…この先の地図は、どこで手に入るのかを聞いてみた

「えー今は、違う形の地図になっていまして…」

どんな形でもいいので、欲しいのですが
どこに行けば、手に入りますか?

「えー、おたくさまはどちらにお住まいですか?
お送りしますので、ご住所をお知らせ下さい…
あっ…申し訳ありませんが、送料は頂くことになっていますが…よろしいですか?」

・・・

丁寧に電話を切り、リックを背負う
なだらかな坂道…古い民家が続いている
きっと道はつながっているはず
瀧原宮の鳥居の前の道を歩き出した

滝原駅まで行ってみよう
そこでまた…考えよう

民家を縫いながら歩いていくと…大紀町役場の看板が

もしかしたら…と思い、またまた入ってみる

例によって聞いてみると

「隣の建物が観光課なので、そちらへ行ってみて下さい」

と、案内してくれた

おおお!!! 観光課…期待に胸を膨らませ
ガラガラと、引き戸を開けた

観光課には、男性と若い女性の二人
快く棚から出してくれたのが

わぉ〜これで心配はない!!!

役場を出て、前のコンビニに入る
トイレを借り、飲み物とパンを買い、店の前のベンチに座る

瀧原宮からの道も、間違っていなかった
このまま、歩いてゆこう

国道42号に出て、そのまま少し歩き…民家が並んでいる里の道を歩く
しばらくすると…大滝峡が見えた

また気持ちのいい空気が流れてくる

少し古道を外れ、大滝峡遊歩道を歩くことにする
ちょっとだけ…
炎天下の里道は厳しいのだ

木々の間から、清流大内川の流れが見える
ひんやりとした風

山の岩から…大小…いくつもの滝が川に流れ込んでいる
川の音を聞きながら歩く

川に下りる道がある…川の水はコバルトブルーに光っている

駄目…もう我慢出来ない
     

きぃ気持ちいぃぃぃぃぃぃ〜
魚もいっぱいいるし、とにかくキレイなの

ここも…とても素敵な場所☆

倭姫命さまがここを選んだ気持ちがわかるわ
二見浦といい…彼女と趣味合うかも。。。
(って…図々しい…か)

あああ…ゆっくりしていたいけど
目的は…熊野まで行く事
後ろ髪を引かれつつ、古道に戻る

三瀬谷駅のある佐原から、三瀬坂峠〜里〜滝原
そして阿曽まで歩かなくちゃ

てく…てくてくてく…てく

阿曽温泉入口?
へぇ〜阿曽には温泉があるんだ

元小学校が温泉の施設になっている
ここで温泉に入っている時間はないので、お昼だけ食べることにする

地元の人たちの憩いの場

     
教室だった所が食堂に                天然のカジキ丼

なんか…給食思い出しちゃった

さて…ここでじっくり役場で貰った地図を広げる
地図は第五巻まである
初めて、伊勢路の全貌がわかった

わかっていたことだが、この旅の日程では、電車でショートカットしていかないと
熊野三山までは辿りつけない

まず、どうしても行きたい峠・場所をピックアップして
作戦を練らないと

という訳で、今日は世界遺産ツヅラト峠を越えることに決める

そうそう…地図はこんな感じです

見所や由来などが書いてあって楽しい
わかりにくいところもあるけど
ホント…助かりました

と、いうことでツヅラト峠がある最寄の駅梅ヶ谷へ
阿曽駅から電車に乗ることにする

     
阿曽駅…雨よけの小屋とベンチのみ          電車の本数は、この通り
隣には厠…と呼ぶのがピッタリな小屋が

新宮方面の電車が来るのは、1時58分
1時間近く…待つ…しかない

国道沿いにホームセンターが見えたので、避難
持ってくるのを忘れた…携帯の蚊よけと
日焼けのほてりを冷ます紙のパックを購入

電車が到着…3駅目の梅ヶ谷駅に着くのは、2時19分

藤ヶ野〜柏野〜宮原〜駒〜松原〜芦谷〜大津〜下里

ずうっと…里の道や国道をえんえん歩き、約4時間かかるところを
電車だとたった21分。。。

地元の人は…なんで歩くの???って思うわね…やっぱり

下里(くだり)の梅ヶ谷駅に到着
さて、いよいよ世界遺産ツヅラト峠

大学生くらいの男の子が一人一緒に降りたけど
登り口に行く前には、姿が見えなくなった
さすが若いと歩くの早いわ
でも…自分のペースを崩さず歩かないとね

     

峠越えも慣れてきたような…そうでないような
とにかく登って…登って登って
峠を越えるのじゃ〜

     

いままでの峠より標高が高い(357m)から、見晴らしがいい!!!

しばし…休憩
これから下って…彼方に見える…あの海の方まで歩くのだ
下って、下って
赤羽川沿いの道を河口まで、ひたすら行くのだ

あそこまで行く!!!
ある意味…見えるっていいけど
果てしなくて…
ゾッともする


ツヅラト峠

山路を歩き続け、やっとたどり着いた紀州への入り口
峠からは熊野灘が一望出来ます

中世に開かれた
補陀落浄土と熊野三山を目指す苦難の紀州路
九十九折りにつながる峠の道が
このツヅラト峠の語源だそうです


     
ツヅラト石道                    野面乱層積
                          自然石をうまく積み上げた石垣

     
妖精たちにもいっぱい出会いました
上手に葉っぱに隠れてます


ツヅラト広場まで下りてきました
下りは凄かった…足が笑わら〜
これから海まで出ます

これが大変…川沿いを1時間30分近く歩く
陽は傾いてきてすで5時になってしまった

今宵は、どこに泊まろう
古道沿いだと、魚(うお)まち…泊まりがベスト
あとは、紀伊長島駅のそばか、車で古里温泉まで行くしかない

調べると、魚まちに一軒だけ旅館があった
電話してみると、素泊まりならオッケーとのこと
予約を入れ、長島港のある街…魚まちを目指し歩く歩く

着いたのは、懐かしい雰囲気の街でした
京都の長屋のように感じがする

薬屋さんが開いていたので、あるものを購入
ふふ…なんでしょう?

旅館かわしまに到着…またずいぶんと古い

土間で靴を脱ぎ、2階の部屋に通される
今宵は、風が強い

まずは、腹ごしらへ

唯一開いていたお寿司屋さん

地元で獲れたものを中心に頂く
たい、あかいか、うに、たこ、はも、うなぎ、さんま…に
生ビール2杯

大将とおしゃべりしながら食事は楽しかったです
お客さん…私一人だったけど

宿に帰る前にスーパーで買い物
明日の朝ごはんと寝酒の調達

宿に帰り、お風呂に入る
そして
薬屋で買ったものを…足…肩に貼る
そうなの…よく宣伝している痛みに効くっていうやつを…ね
それとパック…日焼け後のメンテナンス

この旅館…間口は狭いんだけど、奥は広い
部屋も沢山あるみたい…ずっと先まで廊下が続いている
もう暗いので全貌は見えないけど
トイレに行く廊下の作りから中庭があるみたい

風で建物がぎしぎし言っている
不思議と怖い感じがしない

テレビを見ながらゴロゴロ…ウトウトしていると
カサカサ…と、音がした
目をやると

手のひらほどの…蜘蛛が登場

ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
色は、ベージュ
いままで肉眼で見た蜘蛛の中で一番大きい

あちゃ〜困った
この家の主…だろうと思うので、ほっておこうと思うのだが
あちらは…ほっておいてくれるだろうか

しばらくにらめっこ
主は…あちこち移動していたが
そのうちどこかへ消えてしまった

一応、「十二夜」の公演などで客演して下さっている
熊野出身の俳優・伊藤イサムさんにメールをする

「毒はない、気持ち悪いだろうけどほっとおくように…
懐かしいなぁ〜」
という返事

向こうがほっておいてくれれば…いいんだけど
私は…懐かしくないし…

まぁ…無駄だと思ったが、宿においてあった蚊取り線香を焚いた
閉めきった部屋…煙で目が痛い
私が燻されそう。。。

寝酒を飲んだものの…眠れない
主…いつ出てくるかわからないんもの

午前2時過ぎ…主、再び登場
またまた…にらめっこ
かなり…布団の近くまでくる

こうなったら…写真を撮ろうと思い…シャッターチャンスを狙う

パシャ

ね…大きいでしょう

フラッシュに驚いたのか…消えた
私も疲れて…寝てしまった

あとは…知らない
もう寝ちゃったもん

本日…50387歩


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